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1万時間やれば音楽の謎が明らかになるよ - John Scofield

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何事も「熟達」するには1万時間かかる、というあの有名な「1万時間の法則」について、ジョン・スコフィールドが面白いことを言っているのでご紹介します。元気が出る内容ですよ。6分10秒からです(初回はそこから再生できます)。

「習うより慣れろ(=「練習すれば完璧になる」)」のことはみんな知ってるわけだけど、それは本当に正しいと思う、もちろん完璧さには絶対に到達しないんだが、時間をかければ結果は得られるし、時間をかけずに課題を乗り越えることはできないんだ。

「熟達すること」について誰かが話しはじめたら、何をするにも、何かを本当に上手にやりたければ1万時間が必要だ、みたいな本が出て、それは本当に正しいと思うんだけど、そこで計算してみるわけさ、1日3時間練習したら、10年くらいかかるかな、とかね。数字は忘れたけど、とにかくそれくらい時間をかけないといけないし、やってみたら、あることが起こるんだ、音楽の謎が君に明らかにされてくるんだ、それはなんというか、時間をかけるのと同じくらい理論のことを勉強する必要はない、という感じなんだ。研究と、考え続けること、あと集中すること、これらの組み合わせで、できるようになるんだ。

独自の研究と、他の人と演奏することとの組み合わせ。僕はいつも似たような考えの人々を探して何処かで一緒に音楽をやった。その結果、最低な演奏環境とか、とにかく何でも受け入れて、それをやらなければならなかったけど、そういうのは本当に大事なことだからみんなやったほうがいいと思う。

1万時間やれば「あることが起こる、音楽の秘密が明らかになってくる、時間をかけるのと同じくらい理論のことを勉強する必要はなくなるんだ」という箇所がとても面白いと思ったのでした(“and then something happens, the music, the mysteries of music just become known to you and it’s almost like you don’t need to study the theory as much as you need to put in the time”)。

私は1万時間練習してきたかどうかはわからないのですが、例えば5年前、3年前にまったく身体に入ってこなかったサウンドやコンセプトが、最近になって「あ、この音使い!」とか「ああ、こういうことだったのか!」と気付くことが多くなってきました。

勿論、音楽の謎はまだ山ほどあるのですが、わからなくてもとりあえず考えてみて、挑戦してみて、とにかく時間をかける、ということをやっていると、何かほとんどのことはわかってくるように感じています。そして「わかる」までのペースもだんだんと速くなってきたように感じます。

とはいえ「そういうことか」と頭と耳で(そして指でも)わかったからといって、それを完全に無意識に、安定的に(ここ大事ね…涙w)使いこなせるようになるのはまた別の話で、それには別途1万時間が必要なのではないか、という感じがするので、余裕はゼロです(笑)

1日3時間で10年、6時間で5年、8時間で3.5年。これまで知り合ってきたすごいプレイヤーのお話を思い出すと、これらの数字は結構信憑性があるように思います。

はじめたばかりの方は「オルタードは半音上から始まるメロディックマイナーでリディアン・ドミナントは完全5度上から始まるメロディックマイナーです」なんて言われても何のことだかサッパリわからないと思いますが、考えながら、頭と耳をフルに使って練習し続けていれば、3年、5年後にはその言葉の意味が身体でわかってくるんじゃないか、と思います。理論苦手な方でも。


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