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映画「アウトレイジ最終章」は感動を拒否する感じの映画で、すごかった(ネタバレなし…というかバレて困るようなネタなんかこの映画にはそもそもないのさ!)

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先日、人は「感動の公式」から逃れることができるのか、という記事を書きました。みんなそれが「泣ける映画」であることを了解していて、観に行って、払った料金分の涙をもらって帰ってくる、という昨今の邦画事情は何かおかしいのではないか、という内容です。

人は「感動の公式」から逃れることができるのか
どうもここ数年、邦画の予告編を見せられるたびに妙な感じがしていたのでした。最近の邦画は、何かおかしい。登場人物がみんな泣く。隠された秘密とか...

というわけで、北野武の「アウトレイジ最終章」を観てきました。「アウトレイジ」と「アウトレイジ・ビヨンド」は勿論観ています。何回も。私は北野武の大ファンです。

映画「アウトレイジ最終章」は感動を拒否する感じの映画で、すごかった(ネタバレなし…というかバレて困るようなネタなんかこの映画にはそもそもないのさ!)

うん。最高でした。

観終わった瞬間、期待を裏切られた、と感じました。そして、北野武監督は観客の期待を裏切るような展開をあえて選択したのだろう、とも思いました。お前ら、こういう展開だと思っただろ。こうなると考えてたろ。しかし実際、それらの「期待」は微妙な感じではぐらかされました。そうはいかねえよ、へへ。という感じでしょうか。

「期待を満たすようなカタルシス」がなかったのですが、それだけいっそう、この映画のリアルな魅力にグッと圧倒されてしまったのでした。

えっ、と思いました。あと30分くらいなんかあるんじゃないのかな、と。でもその「あと30分」は、北野監督にとっては恐らく「お約束の展開」であり、彼はそれを拒否したのでしょう。

「アウトレイジ最終章」は「壊れるくらい、あなたが好き。」的なキャッチフレーズでPRするタイプの映画とは全く違うベクトルの作品に仕上がっていました。故に、一般受けはしないと思うし、興行収入もそんなに伸びないかもしれないのですが、映画ファンとしては絶賛せざるをえない作品でした。この映画を制作できる環境が今なおあることがとにかく素晴らしい。

ちょっとだけ音楽のことを書くと、鈴木慶一氏による「アウトレイジ」シリーズの音楽はとてもよくハマっていると思います。

それ以前の北野映画だと久石譲氏のイメージが強かったのですが、久石氏の作品の良し悪しとは全く別として、北野映画で誰か死んだ時に久石氏によるロマンティックなメロディが鳴ったりすると個人的にはトゥー・マッチ。鈴木慶一氏によるミニマルで無機質な音楽のほうが相性が良いように思いました。

映画ファンの皆様、是非観てみてください。ジャズで言うなら、Kenny Gの対極にあるような映画です(↓関連記事)。

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いや、良かったなぁ。一瞬たりとも退屈しませんでした。「アウトレイジ」シリーズが完結してしまったのは寂しい気もしますが、北野監督は今頃「まったく新しいことをやれる」と喜んでいたりして。

いや〜、ホント良かった。北野武最高!


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