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弾けないといけない(?)曲より、弾きたい曲

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ジャムセッションで頻繁にコールされる曲が数十曲あります。そのうち初心者向けセッションなどで「これは初心者向けの曲なのだから、初心者はこれらに取り組んでいるのが当然でありこれらは知っていないといけない」という空気の曲が、いくつかあります。例えば…

  • All of Me
  • Autumn Leaves
  • Blue Bossa
  • Blues in F, Bb
  • Days of Wine and Roses
  • Fly Me To The Moon
  • The Girl From Ipanema
  • Oleo
  • Take The A Train

などは「これ練習してるはずだよね・できるはずだよね」という暗黙の了解がなんとなくあるような気がします。たまにどスタンダードと呼ばれたりもします。

これらの曲が「初心者が取り組むのに最適」と言われている理由は何故だろう、とふと思いました。音楽的な表現という意味では、どれも私には難曲に見えたりします。

A Trainや酒バラにはII7があるから初心者がLydian b7thを習得するのに最適、フライミーはキーがCで逆循環があってAll of MeもキーがCでセカンダリードミナントやIVmも学べるから学習に向いている、枯葉はメジャーとマイナーのツーファイブだけだしブルースはペンタ一発でも何とかなるから初心者向き、Oleoは循環であり基本中の基本だ、などと思われている節があるような気がしています。

でもこれらの曲が「初心者向きの定番曲である」という意見には、個人的に若干違和感があります。音楽表現がやさしいというより、アカデミックな理由で初心者向けとされてしまっているような気がしています。

だってどの曲も難しいんだもの。骨格がシンプルな曲ほど難しいし「枯葉」なんかツーファイブフレーズをハメコミ合成しても全く音楽にならないし、コードトーン中心で自由にアドリブするにしても特にやりやすい曲でもないように感じます。

これはもう完全に私感なのですが、むしろ”All The Things You Are”のようなハーモニーがリッチな曲、”I’ll Remember April”のようなわりと長めのモーダルな区間がある曲のほうが入門者の場合は音楽的な実験をしやすいのではないかと思うことがあります(異論はきっとあると思います)。

何が初心者向きで何がそうでないのかという議論に答えはないのでしょうけれども、ここで書いてみたかったことは「世間一般で『これ弾けないと』と言われている曲」よりも、「自分が本当に気に入っていて弾きたい曲」を練習したほうが良いのではないか、ということです(職業音楽家を目指すのでなければ)。

「酒バラ」が好きじゃないという人が無理に「酒バラ」に取り組んでもうまくいかないのではないか。そもそもアマチュアとして音楽を楽しむにあたってそんな無理をする必要があるのか。やりたい曲をやればいいのではないか。

例えば初セッションで”Stella By Starlight”を弾く人は珍しいかもしれないけれど、おかしいことではないと思います。ベニー・ゴルソンの曲とか、明らかに難易度が高い曲はあると思いますが…。

Jazz Guitar Forumに、好きな曲・苦手な曲というスレッドがあるので、是非皆さんのお気に入りのスタンダード曲や、セッションでよくコールされるけど何故か好きになれないな、どうしても苦手だ、という曲がありましたら是非教えてください!


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