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深化するDOTAMA的世界の魅力

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フリースタイルダンジョンのモンスターたちに共通して言えることは、自分自身の表現欲求・傾向についてかなり自覚的であり、それを自在に操作するための高度なスキルを獲得しているので、リスナーの細かい「好み」を超えたところで全員が輝いて見える、ところではないか。例えばDOTAMAの裏返った高い声が何となく好みでない、という人でも、こう思うのではないか。「でもすげーよ。DOTAMAすげー」と。

そのDOTAMAさんの新作「謝罪会見」の公式動画(去る6/22に公開されたばかり)を観ていたら、知性と狂気と毒、マイナスとプラスのエネルギーが共存するDOTAMA的世界観がさらに深化している印象を受け、感動しました。漢a.k.a.GAMIの声域がテナーサックスだとするとDOTAMA氏はアルトに近く感じますが、この曲では低めの音域なのが面白い。

DOTAMA氏の「いつもの」音域は下のような感じではないかと思います。約2年前に発表された『音楽ワルキューレ2』。0:58頃からの上昇していく音形は「DOTAMA印」とも言えそうなもので、ジャズで言えば「リック」的なものかもしれません。この「DOTAMAリック」を耳にすると、これは完全に私の個人的な感覚なのですが、いつもアルバート・アイラーやエリック・ドルフィーといったイカれたサックス奏者の音色とフレージングを思い出します。

7年前のDOTAMA氏がこちら。基本的に既にDOTAMAエッセンスが全て出ているように感じられます。書いていて急に思ったのですが、テクノを聴いているような気持ち良さもあります。また、これも1:53〜の「DOTAMAリック」が鮮烈(チャーリー・クリスチャンのブルース・リックのようだ)。そして歌詞がすごい。すごすぎる。

最新作「謝罪会見」はそんなDOTAMA的世界の「自然な深化」という感じで仕上がっていると思うのですが、何か煮詰まってきたなとか、そろそろこの人も終わりかな、という感じが全くしません。むしろ「DOTAMA的世界」はまだまだ果てしないのではないか、と思わされます。歌詞のメッセージ性、表現スキル、外見、全ての面においてエッジが立っていて、観るたび聴くたびに押し寄せる中毒性の高い気持ち良さ。やみつきになる激辛料理のようです。

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