最近テレビでよく流れている「のん」が出ているLINEモバイルのCMに心を鷲掴みにされています。それが流れると何をしていても手を止めて見入ってしまいます。メカニカルなフレーズの練習中に見てしまうと必ず運指を間違えるくらい、心を奪われてしまいます。
このCMは本当に素晴らしい。無言でこちらをじっと見つめる「のん」の佇まいにじわじわとキュン死。後ろの壁は、作家名を思い出せないのですが現代美術の誰かの作風を思い出します（誰だっけ…喉元まで出てかかっているんだけど…ライトな抽象表現主義みたいな…誰か教えてください…）。
とどめが曲ですよ。使われているサビの部分はBΔ7-C#/B-Bbm7-Ebm7-Fm7-Bb7#5-Bb7-Ebm7-F#7という進行だと思いますが、トップノートで鳴り続けるBb(A#)音が美しい。
その固定されたBb音が「月の裏を…」というところでFm7の11thテンションになるのですが、その瞬間、青春の日々の甘い恋や悲哀のような感情やなかったことにしたい過去などを掘り起こされてしまう感じであり、そんなふうに取り乱してしまう自分を「のん」が無言で見つめている。ああ、もうダメだ。
このCM完成度高すぎだろ、と思いました。美しすぎる。
で、この曲を実は知らなかったので調べたらキリンジ（名前は知っていた）というバンドの「エイリアンズ」（2000年）という曲なんですね。作詞作曲とメインボーカルは今は脱退した堀込泰行という方。YouTubeにこの曲のPVがありました。17年前の曲。
最高じゃん。こういうのを聴くとジャズやめたくなります。でも後ろの堀込高樹氏（兄）が弾いているギターは俺の335にそっくりだぜ… この鳴り響くA音、ジャズではコモントーンとかソプラノ・ペダルといった言葉で説明されることが多いですね。本当に美しい。このCMを制作された方とキリンジにありがとうと言いたいです。
美しいものを見せて・聴かせていただいて本当にありがとうございます（プロデューサーや監督さん誰なんだろうと調べたのですが出てきませんでした）。あと「のん」のことはあまり意識したことがなかったのですが、このCMははまり役ですね。この人の演技力と存在感すごいですよ。白いシャツだけ着ているのもいいです。惚れた。
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