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Channel: Jazz Guitar Blog
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いまライブを観に行くべき日本の新世代ジャズ・ギタリストたち (1)

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現代日本には新しい世代のすごいギタリストがたくさん活躍されています。もし私がいま20歳くらいの若者だったら、もう絶対こういうすごい方々の門戸を叩いてギターを習いに行きたいと思ったに違いありません。YouTubeを眺めていて、この方のライブは観に行きたい! と思った演奏をいくつか勝手に紹介してみます。

下の動画はギタリスト田中裕一さんの “All The Things You Are” です。ルーパーを駆使した演奏で、独自の世界観が印象的。私の大好きな市野元彦さんやベン・モンダーを想起させるような雰囲気もあり、心を揺さぶれられました。コードワーク・音色・フレージング、それが一体となって一つの世界を生み出していく様が記録されています。イマジネーション豊かですね。このライブを生で観られた方はラッキーだったと思います。大胆でカッコイイです。

続いて松原慶史さんによるチャップリン作曲「スマイル」の演奏です。この曲は私が世界で一番好きかもしれない曲なので聴き入ってしまいました。プロの方の演奏について、誰それに似ているという言うのは失礼だ、という意見もあるかもしれませんが(私自身は、誰かを思い出させるということは良いことだと思うのですが)、カート・ローゼンウィンケルを彷彿させる音使い、ジョビンの曲の引用がカッコ良いです。

続いて加藤一平さんによる “All The Things You Are” です。この演奏はぶっ飛びました。熱いです。音色もフレージングも「いわゆるジャズ・ギター」とは一線を画す独特なもので、未来感ありありな演奏です。近年は「渋さ知らズ」などでも活躍されているようです。フリー・ジャズも好きな方(=私)にはたまらない演奏をされる、すごいギタリストだと思います。

最後は宇田大志さんによる “Just Friends” です。宇田氏は現在YouTubeで最も人気のあるジャズ・ギタリストらしいです。200本を越す動画があり、中には「飲みトーク」といった氏の体験談を聞ける面白い動画もたくさんあります。現代的なスタイルは勿論、伝統的なスタイルのジャズ・ギターにも精通されているのではないかと思いました。

もし現在ギターでジャズを弾くことに興味があって、誰かに習ってみたい、と思われている方。上の動画をご覧になって「この人の演奏、すごい!」と思った場合、まずライブを観に行ってみてはどうでしょうか。YouTubeで感動したら、生演奏ではその10倍感動すると思います。

あとこれは私の個人的な考えなのですが、入門者の場合はやはりプロに習うのが上達の一番の近道だと思います。「他人に習わなかったギタリスト」のほうが、歴史上も珍しいはず(パット・メセニーは誰にも習わなかったかもしれないけど… ただそんな彼でも、ウェスのソロは全て耳コピーしたらしい)。

その他有名な現代のジャズ・ギター・ジャイアンツ… ジョンスコ、アバークロンビー、カート、ギラッド、ジュリアン・ラージュ、皆誰かに習っているんですよね。何かこう「ジャズを他人に習うなんてけしからん!!」みたいな考え方もあるようなのですが、ジャズという音楽の性質を考えると、機会があり環境が許すなら、習ったほうが良いことがあると思います。


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