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トニック・サブドミナント・ドミナント

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参考資料的な記事として、主要なスケールにおけるダイアトニック・セブンス・コードの機能についてまとめてみます。

トニック・サブドミナント・ドミナント、それぞれどんな機能?

現代の調性音楽・ポピュラー音楽におけるコードの機能(役割)は主に以下の3つに分類されます。専門的にはもっと細かく分類されるようなのですが、実用的には以下の3つで困らないでしょう。機能説明も実用的には下のような感じで十分だと思います。

  • トニック (Tonic)… 安定感のあるコードたち。出発点であり着地点。アルファにしてオメガ。「起立・礼・着席」」の「着席」。トーナル・センター(調性の中心・基準点)。
  • サブドミナント (Subdominant)… やや不安定な感じ。トニックに戻りたがるか、ドミナントに進みたがる性質を持つ。「起立・礼・着席」の「起立」。そこから礼をするも良し、着席するも良し。起立し続けるも良し。
  • ドミナント (Dominant)… 不安定なコード群。トニックに強く戻りたがる性質を持つとされる。「起立・礼・着席」の「礼」に相当(その姿勢のままだと辛いので座りたくなりますね)。ジャズではオルタード・テンションを積極的に使える箇所として有名。

主要4スケールのダイアトニック・セブンス・コード機能一覧

ジャズではメジャー・スケール、ナチュラル・マイナー・スケール、メロディック・マイナー・スケール、ハーモニック・マイナー・スケールに精通しておくと色々捗るのですが、その4つのスケール上に存在するダイアトニック・セブンス・コードはどんなもので、それぞれどんな機能が割り当てられているのでしょうか。表にしてみました(クリックまたは指で拡大できます)。

主要4スケールのダイアトニック・セブンス・コード機能一覧

略号:T=Tonic, SD=Subdominant, D=Dominant, SDM=Subdominant Minor

表は、上から順に各コードの度数表示、基音をCとした場合の具体例、機能、対応するスケール(転回形の名前)を付記してみました。

大体合っていると思うのですが、間違っていたらご指摘頂ければ幸いです。「あれっ?」と思われる箇所がありましたら、他のソースもチェックしてみてください。「唯一絶対これが正しい!」というソースがないか探してみたのですが、見つけられませんでした。

特にマイナースケールにおけるコードのいくつかは、人によって機能分類が違う場合もあるようです。ネットでも本でも微妙に違う分類を目にすることがあります。また、機能には「サブドミナント・マイナー」と呼ばれる、ちょっと変わった面白いものがあり、それはこの記事で詳しく解説してみたので、宜しければご覧ください。

以下、初心者の方向けの豆知識です。

コードの機能(役割)は前後の流れ、文脈で決まる

例えばCΔ7がいつでもトニックかというと、そんなことはなく、もしそれがE MajorのキーでbVIΔ7として使われていたら、機能はサブドミナント・マイナーになります。単にコードをひとつジャーンと鳴らして、「これは何の機能?」と聞かれた場合、正解は「それだけだとわからない」です。

ブルースにおけるドミナント・セブンス・コードはちょっとヘンなやつ

例えば “F Blues” における 最初の “F7″ というコードですが、「トニックに解決したがるドミナント」ではなく、トニックとして扱います。ブルースのあのコードは、上の表の外側の世界にある、少しヘンなものです。普通の西洋音楽理論とはちょっと違うのです。怪しい異世界です。子供は見てはいけません。また、秘密を知ろうとしてはいけません。


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