ベン・モンダーには昔から「1日20時間練習していた」とか「いや22時間練習していた」という都市伝説があったのですが、フランスのギターサイトでのインタビューで、この伝説の起源と思われる内容が明らかにされていました。
Q: ナッシート・ウェイツがマスタークラスで、あなたは24時間連続で練習しようとしていたと言っていたのを聞いたのですが…
Ben Monder: ナッシートがそんなことを言ったのかい?
Q: ええ、聞くところによると22時間目にあなたは眠ってしまったと。
BM: 何回かやったことがある。ヒンドゥスターニー音楽ではよくある通過儀礼らしいんだ。でもそれをやる以前に、ベーシストのラッツォ・ハリスがそれをやって、人生が変わったというのを聞いたことがあるんだ。僕も自分の人生を変えたかった。
Q: その経験から何を学びましたか?
BM: 何かを学んだかどうかはわからない… 既に、それほどの時間起きていて、同じことをやるというのがとても難しいことは知っていたよ。
でも同時に、あれは自分を解放してくれるような体験だった。というのも、セッションの仕事のほとんどは40分これをやって、1時間あれをやって…という感じなんだ、2〜3時間しか時間がないからね。
でも自分の前にいくらでも時間があるなら、何でも本当にやりたいことができる。ある意味で、リラックスした感じだ。何処にも出かけないことはわかっているから、ただ弾き続ければいい。はじめてそれをやってみた時は、20時間くらいで止まったと思う。最後の数時間が難しい。でも数カ月後、僕は自分が進歩しているのを感じた。それをやっただけで、自分のプレイが、コンセプト面で、さらにはテクニック面でも改善されていることに気付いたんだ。
最近にそれをやったのは2年くらい前なんだけど、同じようなメリットは感じなかった。もしかするとこういうことをやるには僕は年を取りすぎたのかもしれないね。
これは面白そうな内容ですね。わけもわからずぶっ倒れるまで練習する、というスポ根的な話ではなく、意識の覚醒、意識の変容に関係がありそうな内容です。神秘主義者の修行のようなものに近そう。
彼はインタビューの最後のほうでこんなことも言っています。
Q: 20年前にもらっていたら良かったと思えるようなアドバイスがあるとしたら、何でしょう?
BM: (沈黙)
Q: それが答えなのかもしれませんね…
BM: 他のアドバイスをするなら、僕はいいアドバイスをたくさんもらってきた、それに従ったかどうかはまた別の話だけれど。ある人には、自己主張しないといけない、攻撃的でないといけないと言われた、でも前にも言ったように僕はそういうタイプではなかったから、そのアドバイスには従わなかった。
でも、練習しないといけないというアドバイスには従った、何故ならそちらのほうが難しいことだから。このレッスンは自分の中に残った。できる限り練習するということ。そして、可能な限り知的に(頭を使って)練習するということ。機械のようにではなく。
コンセプト的には断食修行やお坊さんによる回峰行に近いものでしょうか。何の予定もないある週末に、例えば土曜の早朝から…