最近Jazz Guitar Forumで「弾くのが難しいテーマ・いい練習になるテーマ」というスレッドがいい感じに盛り上がっているのですが、そこでマイク・スターンの「クロマゾーン」っていう曲カッコいいよね、という話になりました。そこでクロマティックノートによるコードトーンの修飾の話題が出たので、私も便乗して記事を書いてみます(笑)。
まずこれ。このフレーズを聴いたことがない人はいないはず。ジョー・パスでお馴染みですね。かなり昔からある語彙で、トライアド各音を上と下からサンドイッチしています。基本的なルールとしては、下の音は常に半音下。上の音は「スケールワイズに(ダイアトニックに)1音上」の音を使用します。英語で”Chromatic below, diatonic above”と言います。
下はサウンドが違いますがやっていることは全く同じ。これもジョー・パスでお馴染みですが、わりと誰でも使います。モダンなギタリストでもジョン・スコフィールドが使ったりします。
トライアド以外にもセブンス・コードを修飾することもできます。考え方は同じです。なお運指に正解はありません。
下のバリエーションは、シェリル・ベイリーが教則動画で紹介していたパターンです。開始点が違うだけでサウンドがかなりモダンになります。彼女はこのパターンをジョー・ヴィオラというサックス奏者の本から学んだ、と言っていたような気がします。
フルピッキング原理主義者に怒られそうですが、やはりうまくレガート奏法を取り入れたいところ。これは正解がない感じで、どこで何をやるかでサウンドが全く違ってくるのが面白いです。
マイナーコードの例。勿論全てのコードタイプにこの修飾法は応用できます。
この記事内で紹介したフレーズを、1ページのPDFファイルにしたものをJazz Guitar Forumのここに置いておきます。登録メンバーの方はダウンロードできるので、ご興味のある方は印刷して使ってみてください。この修飾法、発想はシンプルですが色々と発展させられます。
書籍としては、Don Mock’s Jazz Guitar Masterclass: Three Critical Jazz Guitar Concepts and Techniques (Audio Workshop)に”Target tone technique”という章があり、有益でした。様々なスケールの各音を修飾する方法が譜面になっているのでご興味のある方はどうぞ。
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