ビル・フリゼールが下の動画のインタビューの冒頭(恐らく2011年頃)で、「表現すること」について面白いことを言っています。
今は何でもできる世界になった、想像しているものが何であれ実現できる。表現するための手段はたくさんあると思うんだけど、何かを外側に出すために、ギターを弾くというのは、誰かの顔面を殴ることよりも、健康的なことだと思う。ギターで弾けば、誰も傷つかないよ。(音楽では)自分が言いたいことを言っていいんだし、音楽からは良いものしか出てこない。
誰かの顔をグーパンするよりギターを弾いたほうが健康的だ、というこのストレートな表現に心を打たれました。何を当たり前のことを、とか、呑気なことを言っているな、などと思う人もいるのかもしれませんが、自分の中に何かうずうずとした衝動(inner urge…)があるとしたら、音楽好きなら演奏で昇華させるべき。拳であれ、言葉であれ、それが暴力になってしまうと、音楽さんは離れていく。
ビル・フリゼールの言葉と話し方は彼の演奏のように直球で、直観的で、スペースがあって面白いです。
Bill Frisell: An Anthology Songbook
posted with amazlet at 18.01.30
Cherry Lane Music (2001-12-01)