だいぶ前にもこのブログで紹介したと思うのですが、J.S.Bachの曲はいつ戻ってきてみても音楽的な満足感を与えてくれます。テクニック的にも良いです。特にすごいと思うのが、メロディがとにかく頭に残るので、後で復習しようと思った時に楽譜がなくても練習できてしまうところです。メロディが強烈に頭に残っているので、あれ、この音なんだっけ、というのがまずありません。
(13:22-)
(11:27-)
それだけ強烈に頭にメロディが残っていると、残りはもう本当に簡単。いかに良いアーティキュレーションで、良い表情で、正確に弾くか。それだけに注力できます。この”Violin Sonata No. 1 in G minor, BWV 1001″について言えば、4度音程のところで運指に工夫が要る場面がありますが、そういうところに注力できる。どの音だっけ、と悩むことがもはやない。どんだけ強烈なメロディなんだよ、と驚かされます。
さらに不思議なことですが、バッハの曲はどれも、メロディを本当に理解していれば自然に速く演奏できるようになってくるところ。このBWV 1001にしても、最初からがむしゃらに速く弾こうとするのではなく、何百回も聴いて1小節1小節のメロディが身体に入ってくれば、それを正確に再現しようとするだけで自ずと速く弾けるようになってきます。
とにかくメロディは完全に頭に入ってしまうので、そうなれば後は指の動きのどこがおかしいのかといったことに完全に注力できます。なおかつ、ジャズでも使えるフレーズが満載です。オルタードのところとかジャズそっくりです。
どうも練習がうまくいかないなー、煮詰まっているなー、という方にもバッハはおすすめできます。良いことづくめです。なおこのBWV 1001については、Jazz Guitar Forumのこのスレッドにタブ譜をアップしてあるので、ご興味のある方はダウンロードして挑戦してみてください。