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ルートを弾いていけないわけではない

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1995年、ケニー・バレルが”Lotus Blossom”で弾いた”There will never be another you”の動画を見つけました。フランス人ギタリストの方がタブ譜を見ながら聴けるものをアップしてくれています。この演奏、素晴らしいです。古き良き王道のジャズギターという感じ。

ベース入りのトリオですが、ルートの入ったコードをガッツリと弾いています。室内楽的に声部を分けるようになってきた現代の演奏では、あまりこういうことはやらなくなったけれど、別にルート弾いていけないわけではないんですよね。ルートを積極的に弾かなくなったのはビル・エヴァンスやマッコ・タイナーあたりからかな。勿論、ベーシストと意志の疎通がないと成立しないけれど、こういう演奏がおかしいわけではまったくない。

それどころかこんな名演もそんなに多くないのではないかと思いました。地味ですが、コンパクトに色々なアイデアが入っていて、ケニー・バレルの円熟を堪能できます。リハモもいいし、内声の動きも面白いし、シングルラインにも不思議な音程の跳躍があって、心が奪われます。ケニー・バレルの演奏には奇妙な鋭角さがあって、こういうメロウな演奏にもそれが出てくるのが最高です。そしてこの音。フルアコでしか出せない音ですが、素晴らしいなぁ。

 

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