アマチュアとプロフェッショナルという区分は好きではないのですが、Farnam Streetというビジネス系のブログで「アマチュアとプロフェッショナルの違い」という面白い記事を見かけたので、個人的に面白いと思った部分を抜粋してご紹介します。
- アマは何かを達成したらそこでやめる。プロは最初の達成がはじまりにすぎないことを知っている。
- アマは目標を持っている。プロはプロセスを持っている。
- アマは自分が何でも上手だと思っている。プロは自分のサークル・オブ・コンピテンス(得意・不得意分野)を理解している。
- アマは他人からのフィードバックやコーチングを、自分への人格批判と受け止める。プロは自分の弱点を知っていて、思慮深い批評を求める。
- アマは個別のパフォーマンスに価値を置く。難しい球を一度だけ受け止められた野手を考えてみなさい。プロは一貫性に価値を置く。同じ状況でボールを10回中9回受け止められるだろうか?
- アマは最初の失敗であきらめ、自分が落伍者だと決めつける。プロは失敗を成長と熟達への道筋の一部であると捉える。
- アマは良い結果を生む確率を上げるために何が必要なのか全く知らない。プロは知っている。
- アマは楽しむために練習にやってくる。プロは練習中に起こることが本番でも起こることだとわかっている。
- アマは自分の弱点を特定し改善することにフォーカスする。プロは自分の強みと、自分の弱点においても強い人々を発見することにフォーカスを置く。
- アマは知識が力であると考える。プロは知恵とアドバイスを受け渡していく。
- アマは正しくあることにフォーカスを置く。プロは最良の結果を生むことにフォーカスする。
- アマは良い結果を生み出すとそれが自分の才能のおかげだと考える。プロはそれが幸運の産物であると考える。
- アマは短期的に考え、プロは長期的に考える。
- アマは他人を引き裂くことに注力し、プロは全員を良くすることに注力する。
- アマは他人を責め、プロは責任を引き取る。
- アマは時々しかやってこない。プロは毎日姿を表す。
- アマはより速く(faster)やろうとする。プロはより遠く(深く,further)までやろうとする。
- アマは絶対性(absolutes)の中で考える。プロは蓋然性(probabilities)の中で考える。
この記事の著者は、アマとプロとの様々な差は、最終的に「恐怖と現実」という2つの言葉に集約されるとしています。アマチュアは願望ベースで考え、プロは冷静に現実を見てそれに対処する術を模索する。アマは傷付くことを恐れ、自分と正直に向き合うことを恐れる。
この話は、良い楽器練習者とそうでない楽器練習者の違い、良い音楽家とそうでない音楽家の違いとしてもそのまま読めると思ったのですが、どうでしょうか。個人的にはアマチュアとプロの違いというよりも、成長し続けられる人とそうでない人との違い、という文脈で楽しく読めました。
週刊ダイヤモンド 2017年12/30・ 2018年1/6合併号 [雑誌]
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ダイヤモンド社 (2017-12-25)