我々がギターを弾くために日々使用しているピックは、置いたはずの場所に見当たらなかったり、落とした場所をいくら探しても見つからなかったりする。それは何故なのか。本記事では科学者による様々な仮説を紹介する。
ピックバン仮説
ピックはピックバン(Pick Bang)と呼ばれるその発生時、ピックと反ピックとに分裂した。我々がピックを何処かに置いたり落としてしまう時、ピックと反ピックが衝突し対消滅するという説。CERNが大型ハドロン衝突型加速器を用いてピックと反ピックを高速で衝突させる実験で何か調べているが詳しいことはまだ何も分かっていない。
多元宇宙仮説
我々が観測可能な宇宙以外にも複数の宇宙が並行的に存在し、そこに様々なものが消えていく。靴下の片方が消失していく宇宙、ピアスの片方が消失していく宇宙、テレビのリモコンが消失していく宇宙、ボールペンが消失していく宇宙、本に挟んでおいた1000円札が消えていく宇宙などと同様、ピックが消失していく専用の宇宙が存在する。我々がピックを手から離して何かに置いたり、落としたりする時に重力の特異点が発生し、ピックはその特異点を介し別次元宇宙に移行する。ピックは見えていないだけでそこに存在はしていても、そこは既に我々の宇宙ではないため観測できなくなる、という説。
最近の研究ではパソコンのキーボードの下や床の端っこ、クルマのダッシュ、絡まった電源ケーブルのあいだ、ジーンズのポケットや洗濯機の中にピックが再出現する重力の特異点があると考えられている。
シミュレーション仮説
我々も我々が使っているピックも実在してはおらず、どちらも高次宇宙に存在するリアル我々やリアルピックの投影にすぎないため、時々何らかの不具合でピックや人が消えてしまっても何ら不思議はないという説。
シュレーディンガーのピック
ピックを机などの任意の平面に置いたとき、または任意の床に落とした時、一定時間経過後にピックがそこに存在し続ける確率は50%、存在をやめる確率は50%である。したがってピックは存在している状態と存在をやめた状態が1:1で重なり合っていると解釈され、最終的にピックが再び観測されるまでピックがそこにあるのかないのかは誰にもわからない、とする説。
ピッククランチ仮説
ピッククランチ(Pick Crunch)とは、予測されるピックの終焉の一形態である。現在考えられているピックモデルでは、ピックはピックバン(Pick Bang)によって膨張を開始したとされているが、ピック全体に含まれる質量がある値よりも大きくなった場合には、ピック自身の持つ重力によっていずれ膨張から収縮に転じ、ピックは無次元の特異点に収束し、消滅するかのように映る。その後ピックが見つかったりするのは、ピッククランチの後、「振動ピック」(Oscillatory pick) として再びピックが膨張に転じるからだと考える科学者もいる。
工作員による拉致説
近くの国の工作員がピックを組織的に拉致しているという説。
ピック爬虫類説
ピックは爬虫類の1種であり、亀などと同じく脱走してテレビの裏などに隠れてしまうという説。数週間後数ヶ月後に発見されることも珍しくない。
ピック宇宙人説
我々はピックに対して優位な存在であり、我々がピックの主なのだと無意識に思い込んでいるが、実のところ我々はピックに使われている。支配階級であるピックがいつどこに行こうとピックの勝手であり、彼等が唐突に消滅しても何ら不思議はない。その消滅様態が人智を超えているために彼等は宇宙からやって来た生命体であり、地球人を支配している、という説。我々に弦をはじかせるのは弦振動によって故郷の惑星と交信するためだという説もある。