ギターの弦高は人様々。エレクトリックなら12フレット上で1弦側が1.5mm, 6弦側が2.0mm, というあたりが基本のようですが、こうした弦高をコイン(硬貨)で簡単に調べる方法があります。硬貨を弦とフレットのあいだに挟んで計るだけです。
下表のように、日本の硬貨には1.5mm, 1.7mm, 1.8mmが揃っているので、6弦側を少し低めにしている方にも便利に使えそうですね。ユーロには1.67mmより薄い硬貨はないようです。北米の硬貨は厚みのレンジが広いです。
日本のコイン | |
---|---|
1円 | 1.5mm |
5円 | 1.5mm |
10円 | 1.5mm |
50円 | 1.7mm |
100円 | 1.7mm |
500円 | 1.8mm |
ユーロコイン | |
€0.01 | 1.67mm |
€0.02 | 1.67mm |
€0.05 | 1.67mm |
€0.10 | 1.93mm |
北米のコイン | |
1セント(cent) | 1.55mm |
5セント(nickel) | 1.95 mm |
10セント(dime) | 1.35 mm |
25セント(quarter) | 1.75mm |
50セント(half dollar) | 2.15 mm |
1ドル | 2mm |
ただし上の数字はネットでの情報から信憑性がありそうなものを拾ってみたものです。実際に我が家にある様々な硬貨の厚みを実測してみると、わりとバラツキがあることが判明しました。精密なデジタルノギスで計測したところ、個体によって厚みが違いますし、同じ1枚の硬貨でも計測ポイントによって0.3〜0.5mm程度のバラツキがある印象です。
とはいえ日本の硬貨は概ね公表されている値に近いと思いました。外国の硬貨も家にあるものを測ってみたところ、攻めたセッティングの方に便利そうなアメリカのダイム(10セント)は、1.25〜1.37mmまでバラツキがありました(0.1〜2は計測時の誤差もありそう)。ダイムは概ね1.3mm前後として使えそうです。この薄さの硬貨は日本にはないですね。
そしてどの家庭にも必ずあるはずの1ロシアルーブリ硬貨は我が家の場合実測1.44mm, 10カペーク硬貨は実測1.22〜1.24mmでした。10カペークはかなり攻めたセッティングを求める人にとって便利なコインではないでしょうか。この2枚は公称値を調べたところ下のようになっていました。
ロシアのコイン | |
---|---|
10カペーク | 1.25mm |
1ルーブリ | 1.50mm |
というわけで可能であれば厚みを実測した硬貨を用意しておいて、「最近弦高がおかしいな」と思ったらそれを弦とフレットのあいだに挟んでみると簡単に計測できるのではないかと思ったのでした。