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秋の夜長はソロ・ギター・マラソンで自分を充電

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秋の夜長、というか冬の夜長みたいな寒さ続きですが、ここ1週間ほどずっと家にあるソロ・ギター譜を延々と弾き続けるという「ソロ・ギター・マラソン」をやっています。ある日突然、無性にカツオの叩きとかトマトサラダが食べたくなったりしませんか。そんな感じで、私の心と身体が「ソロ・ギター」を求めているのを感じ取ったからでした。

秋の夜長はソロ・ギター・マラソンで自分を充電

本棚にあるジャズのソロギター曲集を手当たり次第に弾いていったのですが、上の3冊はやっぱりすごいなぁと思います。左から菅野義孝さんの「ソロ・ギター・スペシャル・アレンジ」、鈴木よしひささんの「本格アレンジで弾くジャズスタンダードコレクション30」、小沼ようすけさんの「ソロギターメソッド HOP STEP JAZZ!」。

この3冊、第一線で活躍されているギタリストの著書だけにそれぞれスタイルにすごく特徴があって面白いのです。菅野氏の本にはジョー・パスが「バーチュオーゾ」で弾いたフレーズの記憶が、鈴木氏の本はパット・メセニーやジョン・スコフィールド好きなら「イェー!」という部分があり、小沼氏の本にはジョージ・ベンソンやファンクのムードが漂います。

しかし毎日何時間もぶっ通しで弾いていて、スタイルの違いを超えた共通点も見えてきました。それは一言で言うと「ギター語」のようなものだと思います。ギターはピアノほど和声の自由度が高くないので、メロディーをハーモナイズしたり、音を積んだり、内声の移動なども一定の制約下でかなり似たものになるんだなと再認識したのでした。

勿論結果は全然違うのですが、ギターという楽器の構造、フレームワークが生み出すハーモニーとメロディーの特徴のことを、あらためて体感させられます。ギターってこういう楽器なのか。こういうことができるんだね…と発見があります。すごくいいですよ。充電されました。

コードやボイシングがよくわからないという方でも、この3冊を何度も網羅的に弾いてみると「このヘンなボイシングまた出てきた」とか「ギターではこういうカウンターポイントが弾けるんだな」という発見があるので、実践的にいろいろ憶えられると思います。自分の好みのスタイルも見えてくるんじゃないでしょうか。

理論をサウンド付きで学べる、という利点もあります。たとえば「裏コード」のことがよくわからないという方でも、この3冊の収録曲を弾いたら「ターンアラウンド」と呼ばれる3625進行と裏コードを使ったそのバリエーションを山ほど学べます。そして、細かいバリエーションはたくさんあっても、たくさん弾くうちに「増4度」という現象が自然に見えてくると思います(観察しながら弾くのなら)。指の動きとセットで。

上の3冊はおすすめの教則本まとめ記事でも紹介しているので、興味を持たれた方はそちらも併せてお読みいただけると幸いです。

ところで余談なのですが、何時間も譜面を見ながら弾いていたら右腰に来ました。どうも無意識に上半身のバランスがおかしくなるようです。

やはりアコースティック感を楽しみたいので最初は175や335で弾いていたのですが、2日目からはスタインバーガーになりました(笑)。休憩なしで3時間4時間、譜面を見ながら弾くとしたら小さくて軽いギターが本当にいいなぁと痛感。

しかもスタインバーガーだからといって音が悪いわけではありません。ソロ・ギター表現も十分に楽しめる立派なジャズ・トーンが出ます(完全に主観の話ですが…)。この手のヘッドレスギター、練習時間を増やしたい方にはおすすめです。下の記事で詳しく書いたことがあるのでご興味のある方はそちらも是非ご一読ください。

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