先週末のトニー・モナコ、ジーン・ジャクソン、小沼ようすけさんのライブ、ガッツリ観てきました!クラシックなフォーマットのジャズ、”Confirmation”みたいなチェンジの上で暴れる小沼ようすけさんのプレイを体験できるのは最近ちょっと貴重な機会です。
いつものようにもう最高だったのですが、改めて感じたことがあります。それは、小沼さんはきっと変わったことを弾いているわけではないのだ、ということ。何かすごいヘンな音、刺激的な音をぶちこんだりはしません。とにかく自然で、流れに乗って歌っているように聞こえます。目の前で小沼さんがサーフィンしているような気がしました。
例えばですね。下のようなフレーズがあるとするじゃないですか。何年かジャズギター弾いている人ならみんな知っているフレーズですよね(知らないとは言わせないぞw)。こういう伝統的で普通のフレーズが、小沼さんの演奏にはたくさん出てくるのです。ただ譜割りはもっとずっと凝っていて、「あっこんなふうな変形はじめて聴く、すげー」と思うのです。それでいて自然なのです。魔法です。小沼マジック。
こういう普通のメロディたちが誰よりも身体の奥深くに入っていて、それが自然に溢れ出てきている感じ。最高のグルーヴを生み出すためには特に風変わりなことをする必要はないのだ、という意味で大変勇気づけられるのですが、同じソースから汲み出されてくる表現がこうも違うことに驚きます。小沼さんの演奏がサーフィンだとしたら、私は溺死寸前という感じかな。
すごいなあ。小沼さんやっぱり最高ですよ。10年後にあのグルーヴの1/10でもいいから近付きたい。
そんな小沼さんですが、私が観たステージではWestville Coronaをずっと使われていました。隣にずっと赤いGibson ES-275があったのですが、それはアンコールで使っただけで何かテストをされていたのかな、と思いました。Coronaはニュートラルで反応が速い音という印象。現代的な楽器だなと思いました。Gibsonはやはり味があるという印象。どちらも良かったですよ。なおJazz Guitar Forum情報によれば赤いES-275はディスコンになるらしい…気になっていた方は今日の帰り道にでも買って帰りましょう。大丈夫。Don’think…feel !