ハル・クルックの「ハウ・トゥ・インプロヴァイズ」という有名な本(このページでも紹介しています)に、次のように書かれています。
それぞれの練習セッションの最初には、1つの(長く延ばした)音、または単調なくり返しのエクササイズに、数分間意識を集中させてみるとよい。それによって意識が1点に集中し、焦点がはっきりとするだろう。このような方法で始めると、意識の集中を保ちやすい。
これはすごくありがたいアドバイスで、有効だと感じています。最近流行の言葉で言うところの「マインドフルネス」状態に入りやすくなるのだと思います。
そして下の物体にも同じような効果があるらしいことがわかりました。ハンドスピナーと呼ばれるガジェットです。
動いている様子がこちら。手に持たず本や机の上でも回せます。この虹色のデザインのものは見る角度によって模様が変わります!練習前の集中力向上に…とか思っていたら不思議すぎて猿のように何度も回してしまいます。まずい、読譜練習に入れないw
このオモチャ、デザインも様々なものがあって選ぶのが楽しいです。あと何個か欲しいです。価格も数百円から二千円くらいまで様々。極端に安いものはベアリングの質が悪いはずなので、回転性能を重視して私は二千円弱のものにしてみました。何故かスペアのベアリングも付属。3分とか余裕で回り続けます。
何か心が落ち着くんですよね。朝起きて、20bpmくらいの低速で「ポ〜ン」とロングトーンでスケール練習する時のような感覚です。気持ちを整える効果があるんでしょうか。雑念が消える感じです。脳の何処にどんなふうに作用しているんだろう。α波とか出るのでしょうか。波の音を聴いている時のようなリラックス感があります。
このハンドスピナー、英語圏では”fidget spinner”と呼ばれていて、ADHD(注意欠陥障害)のこどもに集中することを覚えさせるためにも有効な玩具らしいです。無意識にシャープペンシルをカチカチしたり、会議中ノートに謎の線をぐるぐる描き続けたりするような行為も集中力の維持と関係があるようです(「貧乏ゆすり」にも集中力向上効果があるらしい)。
上のハル・クルックの言葉に「1つの(長く延ばした)音、または単調なくり返し」とありますが、ハンドスピナーにはその両方の要素がありそうな気がします。周期的な回転とそこから発せられる音。
20分毎に休憩を取るポモドーロ・テクニックという集中力維持の有名な技法がありますが、頭の疲れが取れない時などはこれを回したり眺めてみると少し効果がある…かどうかはまだわかりませんが、少なくとも気分転換にはなりそうです。私は手の中で回すより机に置いて回して眺めるのが好きです。
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