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キミにきめた!Cordoba Guilele CEゲットだぜ

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成人男性10人中100人が罹患するという謎の疾患「ミニギターが欲しい病」に私もまた罹患したのですが、見事その病を克服し、生還しました。これはその闘病の記録です。モニター前のあなたも一刻も早く楽になって下さい。共に戦いましょう。

Cordoba Guilele CE, YAMAHA GL1, Cordoba Mini O-CEという3種類の処方箋

色々調べていたら上の3つのミニギターが候補に上がりました。ミニギターというか、ほとんどテナーウクレレに近いサイズで、いずれも通常のギターより4度上での調弦を前提とした楽器です。実際に弾いてみると、どれも一長一短であることがわかりました。それは下の表をご覧いただくと想像できると思います。

製品名 表板 ナット幅 スケール長 実勢価格
Cordoba Guilele CE スプルース単板 46mm 438mm 3.2万円
YAMAHA GL1 ギタレレ スプルース合板 48mm 433mm 1万円
Cordoba Mini O-CE オヴァンコール単板 50mm 510mm 4.2万円

木材と音色

まず材質。YAMAHA GL1だけ合板です。しかし個人的には悪くない音でした。音量も大きく魅力のある音です。Cordoba Guilele CEはスプルース単板トップで、この3台中最もギターらしい音がします。Mini O-CEは音量的には申し分ないのですがオヴァンコールという聞き慣れない木材の性質なのか(それともブレイシングとか内部構造に起因するのか)、ウクレレ的なパコンパコンというややサステインの少ない音です。音で選ぶならGuilele CEがいちばん好き。あと単板ならちょっとは「育つ」ギターかなという淡い期待を持ちました。

ナット幅とスケール長

音色的にいちばん気に入ったGuilele CEは、ナット幅が3本中最も狭くなっています。つまり3本中、プレイアビリティという点では最も劣る楽器ではあります。弾きやすさで言えばYAMAHA GL1のほうが少し上で、Mini O-CEは圧勝です。Mini O-CEはナット幅だけでなくスケールも長いのでもうほとんど普通のギターに近い感覚で指を動かせます。でも音色が微妙…Guilele CEは音色的には最高なのですがちょっと指が渋滞します。

長所短所を表にしてみる

ここで音色・弾きやすさ・ギター本体の質感・付属のギグバッグの品質について表にしてみました。下のようになります。

製品名 音色 弾きやすさ 本体の質感 バッグの品質
Cordoba Guilele CE
YAMAHA GL1 ギタレレ
Cordoba Mini O-CE

付属のギグバッグはGuilele CEのそれが一番立派です。Yamaha CL1のバッグを見せてもらったら本当にペラペラでちょっとした持ち運びも躊躇う感じ。Mini O-CE付属のバッグも、3本中最も高額なのにGuilele CEのバッグより薄く安っぽい感じです。Guilele CEはバッグも良いです(これは余分な出費が発生しないという点で大事なことです)。本体の仕上げも丁寧で魅力があります。

総合点でGuilele CEが頭一つ抜ける格好になりました。が、決め手はやっぱり「音」でした。3本中最も私の好みの音で、特にアンプ(ここでレビューしたYAMAHA THR5A)を通した時の音が相当気に入ったのでした。そんなわけで、

キミにきめた!Cordoba Guilele CEゲットだぜ!

Cordoba Guilele CEはこんなギターです。ところでこのギター、6弦側からA-D-G-C-E-Aと4度上での調弦を想定しているのですが、工場出荷時の弦でギターと同じE-A-D-G-B-Eにチューニングしても(テンションは弱いとはいえ)なんとかそのまま使える感じです。最終的に私は「Aquila MINI E」という弦を張ることで、適度なテンションとギターと同じレギュラーチューニングを実現できました。

Cordoba Guilele CE

ペグも質感がとても良いです。ギター自体は中国製で、パーツは恐らく中国か韓国製でしょう。

Cordoba Guilele CE

シングルカッタウェイなのでハイポジションが弾きやすい。もしこういうミニギターで”Spain”とか弾きたい、と思われている方ならカッタウェイ付きモデルのほうが良いと思います。YAMAHA GL1だとそれはちょっと無理かな…

Cordoba Guilele CE

ピックアップはCordobaの中でもいちばん安いものが付いているらしいのですが、何故かアンプに通すとかなり良い音です。ただ、私がお店で試奏したMini O-CEのピックアップ(似たようなものらしい)は不良があり、Mini O-CEを所有している知人も一度ピックアップの不良で新品交換したことがあるとのことなので、購入時は注意したほうが良いようです。Mini O-CEは外国でも多数の初期不良が報告されていると聞きます。

Cordoba Guilele CE

私が使っている「Aquila MINI E」という弦は、巻き弦には最初からボールエンドが付いています。ナイロン弦は自分で付属の金属製のエンドを付けます。手間的には大したことなく、普通のガットギター弦を張るより速く張れます。あとこの弦、「ちょっとだけ平べったいそうめん」みたいな形状なのですが、音がいい!ダダリオのプロアルテ・ハードテンションを張ったりもしたのですが、断然この「Aquila MINI E」のほうが良い音がします。何でしょうね。このギターはもうこの弦しかありえないくらい気に入っています。

Cordoba Guilele CE

下は専用弦のパッケージとウクレレ専用のスタンド、サウンドホールにひっかけるタイプのネックストラップの写真です。やはりいろいろややこしいものを弾こうとするとストラップがあったほうが安定します… スタンドは800円くらいの安物なのですが重宝しています。

Cordoba Guilele CE

どれを買うべきか迷ったら

どれを買うべきか迷ったら、自分が何を優先したいのかを思い出します。例えば、サイズなのか。サイズ的にはMini O-CEも他の2本に比べて極端に大きいわけではないので恐らく困ることはないでしょう。弾きやすさで考えるならMini O-CE一択です。音色・総合得点で選ぶならGuilele CE。予算で選ぶならYAHAMA GL1、となるでしょう。しかしアンプに通したいのならGL1は選択肢から消えます。

私、思うんですがGuilele CEもMini O-CEも音色的にはライブで使えます。トラベルギターとしても、ちょっと風変わりなセカンド・インスツルメントとしてもかなり面白いのではないかと思っています。

買い方のコツ

これらのミニギターの購入は個人的に通販をおすすめします。Gibson ES-335を通販で買うのはやめたほうが良いと思いますが、これらのギターは存在自体がまずレアで在庫してある楽器店がまず少ないんです。在庫があったとしても不具合があれば当然持ち帰れない。お店はきっと「別の個体を取り寄せれば来週くらいに入ってきます…」と言うかもしれませんが、その個体が完全で自分の好みである保証はありません。これらのギターは経験上、音色的な面で極端な個体差も少なく、そもそも選べるだけの数も店頭にはありません。初期不良についてはamazon発送の製品ならまず問答無用で良品交換または返品に応じてくれます。そのためamazon倉庫に在庫があればそれをすぐ試してみるのがいちばん効率的な入手方法なのです。

通販で購入した場合は、到着時に箱や付属品一式とギター本体を借り物のように丁寧に扱い、木部に割れやヒビがないか(特にブリッジのあたりは注意して観察しましょう)、アンプに通して音が出るか、ピックアップに不具合がないかをまず確認します。ここでハードウェア的な不具合がなければラッキー。もし確実に不良な点があって、それが受け入れられないものなら丁寧に梱包しなおして返品交換しましょう。ちなみに私は一発目で不良のない良い個体を送ってもらえたのでラッキーでした(ショップで試奏した個体は残念ながら品質に問題がありました)。

実はCordobaのギターは、知人の話を聞いても、ネットで検索しても品質にかなりバラつきがあるらしいのです。問題のない個体なら最高ですが、ピエゾが特定の弦の音を拾わないとか、何処か割れているといった不良があったら、その個体は諦めたほうが良いです。そしてそういう確認は通販のほうがやりやすいです。

この記事でご紹介したものをまとめて下に記載します。気になった方は覗いてみてください。

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