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私にとっての移調練習

移調の練習、つまり、自分がいま取り組んでいるソングやフレーズ、ストラクチャー等を、別のキーでも練習することについて思うことを書いてみます。

よく、フレーズを自分のものにする場合など、All 12 keyで弾けるように練習しなければならない、ということが言われると思います。最終的に12のキー全てで弾けるようになるのは理想的なので、この「言い伝え」自体は何ら間違っていないでしょう。

ただ実際の練習の進め方としては、「まず1つのキーでそれを完全に理解し、自在に弾けるようになる」ことが大事ではないかと思います。例えばFでなら迷わずに、流暢にそれを弾けるようになるまで練習する。そこではじめて他のキーも試す(この場合も、Bb, G, Eb, Ab, D, C等、自分が実際に使う可能性が高いものから取り組む)。

焦らずにまず1つのキーで「それ」をやれるように練習を重ねる。これをスキップしていきなりAny Keyの練習を並行的に行っても、効果は薄いのではないかと思います。

ここでちょっと不思議なことがあります。時々、自分にとってものすごく難しい何かを練習している時、たとえばKey in Fでそれを徹底的にやり続けていても、「どうしてもこれ以上身体に染み込みそうにないな」と思うことがあります。目指しているのが100%だとすると、どうしても80%より上には行けないような感覚。

こういう時、あえて少し離れたキーで同じ内容を練習します。すると「それ」の理解が一気に深まり、立体的になるように感じられることがあります。相対的なピッチが変わり、ポジションや運指も変わることがあるので、脳が学習対象を多方向から観察するようになるのではないかと思っています。採譜したフレーズに「別の意味」を発見したり、指板の理解が深まったりもします。

Any Keyでの練習は、実戦時に12 Keyで「それ」を弾けるようになるという「目的」がある以外に、「それ」についての理解を深められる、多面的な理解が得られる、その結果、身につくのが早くなる、という「効果」もあると思います。この「効果」はかなり貴重ではないでしょうか。

まとめると、

  • Any keyでの練習は大切。でも最初は、1つのキーで、焦らずじっくり取り組む。完全にできるようになったら、他のキーで試す
  • 1つのキーで練習を続けていて、どうも頭打ちになっていると感じたら、他のキーでも試してみる

という感じでしょうか。私はこういう感じで練習をしてきて、自分にとってはワークしていると感じています。学生の頃は先人の言葉のままに、(無反省に)がむしゃらに練習したのですが、身に付かなかったので、練習の意味を自分で再考し、改良して実践する、というサイクルを繰り返すようになりました。

移調練習に限らずあらゆる練習について、それは何のためにやるのか、どんな効果があるのかを意識するようになったのですが、そういう習慣を持つことで、だいぶ練習の効率が上がったような気がします。

ところで、このブログのFacebookページを作成してみました。更新情報を掲載する予定ですので、Facebookをご利用の方はチェックしていただけると幸いです。いつも拙ブログをお読みいただき、ありがとうございます。また様々な温かいコメントやお誘いのご連絡にも感謝しております(個別にお返事を差し上げられず、すみません)。今後とも宜しくお願い申し上げます。


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