ギターの指板上のシェイプを観察・研究する特集記事の第3回です。前回は、サイコロの3みたいなので遊んでみました。
今回もサイコロつながりで何かできないものか。よし、ならば…これはどうだ!! サイコロの5…
つまり…こんな感じだ!
ただこの記事では、345弦、及び456弦におけるこのシェイプに限定して観察したいと思います(理由は後述)。
サイコロの5みたいなやつでツーファイブは弾けるか
このサイコロの5みたいなシェイプをフレージングに活用します。このインターバル、シェイプを保ったまま、ツーファイブは弾けるだろうか…
おおっ、きれいになぞれました。Dm7(b5)はナチュラル9thテンション。Iはリディアンオーグメントな響きに!
オルタードが難しいならサイコロの5みたいなやつを弾けばいいじゃない
もっと簡単な応用法を考えたいと思います。このサイコロの5みたいなやつを、下の図のように無限に重ねていきます。草間彌生ワールドみたいだ…
これはホールトーンスケールの音の並びなんですよね。そして「345弦上のサイコロ5」と「456弦上のサイコロ5」は下の図のように重なります。
この音列をG7で使う場合、G+9(#11)、つまり#5(b13), #11, 9thの入ったG7になる…わけで、オルタードの代わりに使ったりできます(違いはb9や#9がなくナチュラル9thがあるところ)。オルタードとか難しいので私にはジャズっぽいの無理です、という方でも、このサイコロの5みたいなやつは見えるのではないか。
では思う存分暴れてみましょう。秘技、サイコロ転がし! 自分で弾きやすい運指やピッキングの順番を考えてレガートなフレージングの練習をするのも楽しいシェイプ。あともう気付かれた方もいると思いますが、これはティム・ミラーのTwo-One-Two-Oneというフィンガリングシステムにも似てますね。
(テーブルの上で転がるサイコロの姿をイメージしながら遊びましょう)
ホールトーンに限らずシンメトリック系のスケールは横方向のポジション移動にも便利。移動先のポジションが見えていれば、音域を変えたいときにも、いいですよね。
ホールトーンスケールには他にも面白いシェイプが発見できるのですが、このサイコロの5みたいなものは途中で音が2回飛ぶのでスケールをただなぞるより面白いです。あとクロマティックアプローチを入れても面白いですね。
ただ 音域が低い といういう不満を持たれる方もいると思います。そうなんですよね。123弦、234弦セットでは、このサイコロの5は通用しません。では高音域でホールトーンをやりたい場合はどうすればいいのか… それは別の機会に観察してみたいと思います。