最近よくYouTubeのおすすめに上がってくるカナダのsamuraiguitarist。彼は最近「単なるギタリスト以上の人間になろう」という真面目な動画を発表していました。5分間ひたすら「ギタリストとして幸福になるためには」というテーマについて語っています。これがいい内容だったので一部をご紹介。
ざっくり言うと「俺はギタリストなのだから他の部分はダメ人間でもいい」と考えるとひどいことになる、というお話。
(0:55) 音楽以外に喜びを得られる何かを見つけることの重要性は見過ごすことができないものだ。もし自分にあるものが音楽だけなら、表現活動(art)との関係に不要な緊張が生まれてしまう。特に自分の音楽がうまく行っていない時。あなたがどんな人であろうとこういう時期は訪れる。
何かをマスターしようと躍起になって練習したり、モチベーションが見つからなかったり、クリエイティブな面で行き詰まったり、アルバムの評判が良くないとか… もし精神状態がこれらに左右されるといろんな意味でひどいことになるはずだ。
これは恋愛と同じだ。誰かと付き合っていて、自分の人生全てがその人の周りで動くとする。それはしばらくは上手くいくかもしれないけど、持続可能ではない。いずれ壁にぶち当たる。
(1:56) こういう問題に対処するための最良の方法のひとつは、僕の場合スポーツや運動だ。ホッケーとかサッカーをやっているあいだはその試合のことしか考えないし、その後自分の音楽的な問題に戻ってくると、前よりもクリアに、冷静な目で見られるようになるんだ。
(2:24) ギター以外に何か充足感を得られるものを見つけることを強くオススメしたい。自分自身をただのギタリストであると定義してしまうと、自分の人格の他の部分をおろそかにする言い訳が生まれてしまうんだ。
(3:22) 自分よりも上手なミュージシャンを新たに知ると、僕の頭の中は本当にグチャグチャになってしまい、自分が弾くもの全てがゴミみたいに聞こえるようになった。僕はいつも自分をネガティブに比較ばかりしていて、嫉妬に取り憑かれていた。これは最悪な精神状態だよ。
(4:14) 幸福とは筋肉であり、他の全てと同様に鍛えていく必要があるものだ、それは君の表現活動に前向きな影響を与えてくれる。自分が気持ち良い状態で過ごしているときは、良い事が起こるものだ。
いや〜、いいお話でした。特に「幸福とは筋肉であり、他の全てと同様に鍛えていく必要があるものだ」(happiness is a muscle that like anything else needs to be worked)という考え方は、自分の中にはありませんでした。「幸福」は、どこかからやってくるものであって容易にコントロールできるものではないように何となく思っていました。そうか、それは鍛えるべきものなのですね…
正直に言うと、私はこのsamuraiguitarist氏はいろんな意味で怪しい人じゃないかと思っていました。動画の最後で両手を合わせてお辞儀をするところなどは、やはり怪しい。掛け軸も怪しい。でもこういう動画を出すのだから、メッチャ真面目でいい人だなと思いました。日本から失われたサムライの心は、いまカナダの地でふたたび花開こうとしているのか…