大学生の頃、イスラエル人の友達にMatti Caspi(מתי כספי, マティ・カスピ。現在67歳)やBoaz Sharabi(ボアズ・シャラビ)といったイスラエル人歌手のCDをプレゼントしてもらったことがあります。いちばん記憶に残っているのは、エフッド・マノール作詞・マティ・カスピ作曲の”Brit Olam”(ברית עולם)という曲。日本語にすると「永遠の誓い(契り)」といった意味でしょうか。
辛くなるほど美しい曲ですが、魂の洗濯効果があるのでお時間のある時や疲れた時などに是非聴いてみて下さい。
その友達によるとこの人はイスラエルでは知らない人がいないほどの、日本なら桑田佳祐とか長渕剛に匹敵するほどの人気歌手だったそうです(音楽性の共通点は皆無ですが…)。上の曲は妙なコード進行もあり、なんとなくですがジョビンの音楽を思い出しもします。
そういえばこの”Hine Hine”(הנה הנה)という曲もブラジルっぽい気が…これラテン入ってますよね。
そのマティ・カスピの音楽をギラッド・ヘクセルマンのギターで聴くことになるとは当時夢にも思っていませんでした。下は同じイスラエル出身のヨタム・シルバースタインと”Dove Song”(鳩の歌)という曲を演奏しています。
オリジナル曲はこちら。
この”Lulluby To Myself”もマティ・カスピの曲です。イスラエルというとハーモニック・マイナーやクレズマー等をすぐ想起してしまうのですが、そういう音使いではないものの、カスピの曲を聴いていると大きいメロディの中に民族的な旋律の好みのようなものも感じる…のは私だけでしょうか。
ヨタム・シルバースタインはブラジル音楽にかなり傾倒しているらしいのですが、マティ・カスピのブラジリアン・テイストに遠い影響を受けていたりするのかな、などと思ったりしました。
イスラエルというのは本当に不思議な国です。お隣はアラブ文化圏であり、スペインや東欧やロシア等、本当に様々な国から建国後に大勢のユダヤ人が移民してきた。音楽的にもかなりいろいろな要素がミックスされていそうです。イスラエル出身のジャズ系ギタリストではギラッドやヨタムの他、オズ・ノイがいます。ニア・フェルダーもイスラエル移民の子孫です。