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他人のコントロールではなく、自分の技量を極めることに注力する

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ロバート・グラスパーがNanea Hoffmanという、スウェットパンツとコーヒーの愛好家(?)の言葉を紹介していました。

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自分メモ:

他人があなたのエネルギーをどう受け取るか。それをコントロールすることはできない。あなたが言うことなすことは、彼等がその時々で抱えている個人的なあれこれという名のレンズを通じて受け取られてしまう。そのあれこれはあなたとは関係がない。とにかくできる限りの誠実さと愛を以って、自分がやるべきことをやり続けるように。

いい言葉だなぁ、と思いました。ロバート・グラスパーも「ホントだよ…マジでその通りだよ…」などと書いています。この言葉には、安易な自己啓発とは一線を画するコミュニケーションの基礎理論が潜んでいるように思いました。例えば、下のような当たり前のことが書かれていると思うのですが、これが当たり前であることを忘れがちです。

  • 自分が伝えようとすること(メッセージ)が、そのままダイレクトに相手に伝わることはまずない。途中経路で様々な情報の損失が発生する
  • 相手に届けた後でもメッセージはさらに様々なフィルターを通過するのでやはり思うように伝わらないことがある
  • メッセージを理解してもらうために相手をコントロールすることはできない(首根っこを掴んで「わかれ」と言っても無理であり、筋違い。それは愛と理解の次元ではなく、暴力と支配の次元である)
  • 結局のところ、メッセージが高い純度で相手に届くためには、そのメッセージの手元での完成度や純度を高める必要がある

コミュニケーションの世界において、メッセージはやはり最後まで発信者が責任を持つものだと思います。わからないほうが悪い、とか、わからないのは相手に理解力がないからだ、という考えは甘えだし、無理矢理わからせようとするのも無理。できることというのは、どうにかして相手にメッセージが届くように工夫すること。

音楽でも基本はそうなんじゃないでしょうか。ちょっと前にこの記事で、パット・メセニーが17年前にKenny Gに激怒したというエピソードを書きました。「もし僕が何でそんなに怒ってるんだ、と思われるとしたら、それは僕の音楽がKenny Gの音楽と全く違うってことが伝わってないわけだから、10倍練習したくなる」と書いていました。

わからない奴はわからない。でもわからないのは奴がバカだからだ、と吐き捨てることもできない。するとやはり、できることというのは、その人にもわかるような表現になることを期待しつつ、自分の表現や技を極めていくしかない。それは地道で孤独な営みかもしれませんが、他に便利な近道はないのでしょう。

 

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