※心霊現象が苦手な方、回りに誰もいない方は、夜には絶対に読まないでください
その夜、遅くに帰宅した私はいつものように、灯を落とした自室で、寝る前のギター練習をはじめたのです。深夜ということもあり、既に寝静まっている妻を起こさぬよう、小さい音で、まずロングトーンから始めたのです。
ポーン。ポーン…
静まり返った部屋に、3弦5フレットのC音がこだまします。ポーン。ポーン…
その時でした。背中がゾクッとし、額から冷たい汗がツー…と流れ落ちてきたのです。いきなり、心臓がドキドキしはじめます。
何かに、誰かに、見られている。
そのように感じ、振り返ろうとしましたが、金縛りにあっているのか、首から下が全く動きませんでした。
そこで、やっとの思いで、首だけを回し、ゆっくりと、背後を振り返りました。恐る恐る…
すると、そこに見えてきたのは、首のない何かでした。
ハーッと私は心臓をバクバクさせながら、目を逸しました。
何かいる。首のない何か が後ろにいる。
どうしよう。殺されてしまうかもしれない。怖い。助けを呼びたい…
しかし、声は出ません。身体も動きません。
勇気を振り絞って、もう一度後ろを振り向くことにしました。気のせいかもしれないからです。ゆっくりと、ゆっくりと私は後ろを見ました。
すると、やはりそこには、首のない何かが、いたのです。
ハーッ!!!! 首のないギターだ!!!!!!!!
私の心臓は停止寸前でした。
しかし、私の恐怖体験は、ここで終わりではありませんでした。
もっと、もっともっと恐ろしい出来事が、待っていたのです。
その時、左手側に新たに別の気配を感じました。
何かがいます。その時、自室の扉がギーッ…と、ゆっくりと開きはじめました。
そして、少しづつ見えてきたのです。
うつむいた、青白い顔をした、髪の長い女性が、薄暗がりの中で、こちらを恨めしそうに見つめているのが。
ハ、ハ、ハーッ!!! 私は立ち上がって逃げ出したくなりました。しかし身体は金縛りにあって動きません。
するとそのうつむいた、青白い顔をした、髪の長い女性は、いきなり全速力でこちらに向かってダァーーーッと走り出してきました。
詰んだ、とその時思いました。心臓が止まりそうです。その女性は、とどめに私の顔の前に、
バァーーーーン!!!と一枚の白い紙を突き出しました。
ヒエェェーーーーーッ!!!!
そこには “領収書 strandberg Sweden Custom Shop Boden 7 ¥ 759,240″ と書いてありました。
コロス… とその女性は言いました。白い泡を口から吹きながら、私は意識を失いました。