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Kurt Rosenwinkel “Caipi”のクロスレビュー

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ジャズライター・ブロガーとして活動されている北澤さんが “Untitled Medley” というジャズサイトを立ち上げられました。そこでカート・ローゼンウィンケルの新作 “Caipi” を3人の人間が同時レビューするという面白い企画があり、光栄にもお声掛けいただきました。北澤氏とライターの吉本秀純氏によるレビュー、私の拙文が下の記事に収められています。是非お読みいただけると幸いです。

レビューを書いてみて、またお2人のレビューを拝読していて様々な発見がありました。文字数の関係でレビュー中には書けなかったのですが、Electro-Harmonix HOG2を使用したここ数年のフルート的なカートの音色。あれはギターとヴォーカライゼーションをミックスした音を彼が無意識に欲していたのかな、といま改めて思ったりします。

“Caipi” を聴いているとパット・メセニーのオーケストリオン・プロジェクトを思い出したりもするのですが、その点は北澤氏が「非常に高クオリティなデモテープ」という言葉で表現されている感覚が、御意、という感じです(勿論、その「デモテープ感」は作品の良し悪しとは関係ありません)。

最終的には吉本氏が書かれているような「内面での濾過」が大きいキーワードではなかろうかと思います。よくあるタイプのカート批判に、カートのギターは複雑で機械的なフレーズを繋ぎ合わせるだけで人間味がない、という感じのものがありますが、そういうイメージを持たれている方にはあらためて “Caipi” をお勧めしたいところ。

J-POPではなかなか登場しないような不思議な音程のメロディがたくさんこのアルバムの中にはあるのですが、やはりカートの内面での濾過具合が半端ではないので、歌としてスッと身体に入ってくる、という感じでしょうか。

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